OTを説明する
患者さんのご家族さんからPTとOTの違いについて聞かれることがたまにある。
頻繁にではなく、たまに、というところに日本人の「やってくれればなんでも良いんだろう」という様子が伺える。
それは置いといて、
前回書いた内容に沿って考え直すと、
人生に対して、責任を持ち、選択し、前進する状態がリハビリテーションだということならば、
いったいPT、OT、STはどう説明されれば良いのか。
私個人はそれぞれの職種の違いは、視点の違いかと思う。
まずPTのキーワードは、身体機能。
身体的不調があると結果的に活動性や行動力に影響するので、
身体機能の向上はリハビリテーションという状態になるための大切な要素。
STさんは元々聾の方への支援から始まったということで、コミュニケーションがキーワードかなと思う。
コミュニケーションや対人関係が取れないと、
社会の中で前進していくことは難しいだろう。
そして、
OTのキーワードはやっぱり作業。
作業に関してはまた考えをまとめるが、
作業科学における、"人間は作業的存在である"ことを踏まえると、
自分らしく生きるということは、自分らしい作業をすることだと思うので、
作業遂行を支援することはリハビリテーションの状態に繋がっていくと考る。
まとめると、
PTは身体が動けば自分らしく生きることができるという視点、
OTは作業ができれば自分らしく生きることができるという視点、
STはコミュニケーションが取れれば自分らしく生きることができるという視点、
をそれぞれ持っているのではないか。
STは摂食嚥下の分野にも強いから、その説明も加える必要はあるかと思うが、
一般の方に説明する際は、大まかには上のようなキーワードを交えればいいかなと思う。
そして、一般の方からは、「え、作業って何?」と聞かれる可能性もあると思うので、
作業についてはまた考えなくてはいけないな。